神楽レポNo.64:Soul Inspiration!


2009上田原湯立神楽
−3年に1度の舞を見逃すな!!−
<上田原神楽・上田原子ども神楽>
2009.12.13(Sun) 大分県豊後大野市三重町御手洗神社


さて、3年に1度のあの神楽を見に行きましたよ♪

大分県豊後大野市三重町上田原地区に伝わる「湯立神楽」です!
熱くたぎった湯を湛えた釜の中に、白装束をまとった団員が入るという奇祭です。
大分県内にはいくつか湯立神楽がありますか、この地区は3年に1度の開催ということで、
非常にレアなお祭りであり、多くの観客で賑います!
(過去、不定期開催や5年に1度の開催の時期もあり。
毎年開催を望む声があるも、祭りに対する負担が大きいことがネックという課題も。)



私も小さい頃から見に行っていました。
今回で7,8回目になるでしょう。




湯立神楽当日の日程ですが、
前半:霜月祭り(例年開催、今年は12月開催。)、神事
後半:湯立神楽(3年に1度開催)
となっております。

したがって、その通りに紹介します!


それでは、2009年の湯立神楽レポStart!!




[霜月祭り]
<上田原神楽>

1)「入坐(いりまわし)」
神楽の始まりを飾る舞。

4人立てです。
三輪(宮)流は宮神楽であり、神事的要素が強いです。
それを象徴する、素朴且つ神事的な舞です!



2)「柴入れ」
柴を持って舞う4人立ての舞。

こちらは採りものが柴(榊)です。
これまた神に捧げるような舞です。



3)「綱伐1」
大蛇退治を簡素化した舞。
綱を八岐大蛇に見立て、刀で斬ります!

※上田原神楽の綱伐に関するエピソード
以前神楽に精通する方々、大学教授らが、上田原神楽の綱伐を見て、
「これはすごいっ!国宝級ではなかろうか!!」と豪語したほど、評価が高い演目です!
私も迫力あるこの演目が好きです!!

本日は2回綱伐を舞うとのこと。
1回目は、師匠が舞われました。
動きがしなやかで、声も元気がよかったです!
迫力満点でした!!




<上田原子ども神楽>
4)「荒神」
赤い顔をした荒神が暴れます!!
質素な三輪流神楽の中でも、最も荒々しい演目です。

小学3年生の荒神です!
わずか4ヶ月間の練習とは思えないほど、上手に荒神を演じておりました!!




<再び上田原神楽>
5)「正護(傷護)」
刀を持って舞う舞です。

刀を振り回したり、斬りかかったり…動きが多い舞です!



6)「入坐(?)」

採り物は幣、4人立てですから入坐ですかね??
しかし、神楽の最初の演目ですでに舞っていますから、
二度舞う必要は無い気もしますが…。
正式にはなんという舞かはわかりません…(汗)



7)「四天」
弓を持った4柱の神々による舞。
三輪流神楽の中で最も時間が長い舞。




8)「綱伐2」
今度は若い弟子が披露!

こちらはパワフルな舞で、元気が溢れていました!



9)「荒神」
霜月祭り最後の舞。

舞台を飛び出しては、観客に焼酎を振舞っておりました!


[湯立神楽]
ここからが、3年に1度の舞となります。

大分県内には何箇所か湯立神楽があります。
それぞれに説があります。

1)昔、悪事をした人に対し自白をさせるために熱い湯に入れた。
2)修行僧が身を清めるために湯に浸かった。
上田原神楽は「2」を由来としているそうです。



湯立神楽は大まかには3部構成(はじめ、納めをいれると5部構成)。
「湯改め荒神」「湯霊とり」「湯かぶり」です。

それでは、以下で詳細を紹介します!



1)「神事」
これから湯立神楽を行うにあたり、
湯霊とり、湯かぶりが神殿に参ります。

神殿に拝礼し、祝詞を唱えております。



2)「湯改め荒神」
荒神が、釜の湯がきちんと煮えているかを確認します。
その後、釜を燃やした薪灰を蹴散らします!
湯立神楽で最も激しく、見ごたえ満点の舞です!!

まず、釜の確認を行います。


そして、舞台から降りて、まだ赤く燃え滾っている薪灰を蹴散らします!!



少し残念なアングルとなりましたが、見てくださいこの火の粉!!
足袋と草鞋という状態で、熱い場所へ突入し、蹴散らす!!
最前列で観覧&撮影していた私(いわば「升席」的ポジションにいた私(笑))。
これまでの湯立神楽の中で、一番迫力のある状況にいました!
もう、興奮しました!!すごかったです^^



3)「湯霊とり」
釜の湯をかき混ぜます。
そして、釜の湯に素手をいれ、「湯の霊」をとります。
そうすることで、湯の魂が抜かれ、熱さがなくなるといいます。

祝詞を唱え、湯をかき混ぜます。



ブレ&明るさ補正(これ以上サイズを大きくすると、荒い画像に…)で恐縮です(汗)
熱い湯の釜に素手を入れ、湯霊をとります!



4)「湯かぶり」
白装束をした楽員が、いよいよ湯釜に入ります。
この湯立神楽のメインの演目です!!


神殿と釜の間を祝詞を唱えながら往復します。
その間、手にしている葉っぱで、釜に入っている湯を撒き散らします。
その撒き散らした瞬間の画像です。


その後、舞がエスカレート!
素足のまま舞台を下り、先ほどまで熱い薪灰のあった地面上で舞い上げます!!

先ほどまで灼熱だった地面を素足で暴れまわっています!!
これまた最前列で見ていた私には興奮ものでした!!



そして、ついに…



釜に浸かりました!
湯立神楽のメイン&クライマックスの場面です!!
祝詞を唱えています。



5)「納め」
湯立神楽のメインが終わり、神楽のトリを飾る舞です。

これにておしまいです。


*アラカルト*
その他、今年の湯立神楽に関するトピックスの紹介です♪


○「力石重量当てクイズ」&「湯立神楽焼酎」
その昔、京の天皇が西の空を見上げていたそうだ。
すると、一筋の流れ星が堕ちていった。
すぐさま従者に流れ星の行方を調査させた。
すると、豊後国の御手洗神社(この湯立神楽開催の神社)に堕ちていたそうだ。
それ以降、この石を「力石」として崇めているという。

さて、その「力石」の重量当てクイズが今年行われました!
力石の重さを当てたor近かった人に、これまた今年出来た「湯立焼酎」をプレゼントとのことでした。

これが伝説の力石。
早速正解をばらしますが、「104kg」です!
奇しくも、私の方が重たいです…(笑)


こちらが湯立焼酎です!
湯立神楽のイラストつきです♪


○「作品展」
こちらは毎回会場近くの公民館で開催されております。
地区の方々が作られた作品が展示されております。


長くなり恐縮です。
3年に1度の湯立神楽の奉納、あっという間でした。
次回は3年後…待ち遠しいですね♪
3年後は、何をしてるんだろう…(笑)



おわり